俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「うん。デートと言うか、今まではみんなで遊びに行ってたのを二人で行こう、みたいなノリだけど……」

「それはデートでいいよ」

真顔で言ったあと、那也お姉ちゃんはふふっと笑った。

「羽咲ちゃんと碓氷くん、仲良しだね」

「――――」

その一言に、ドキッとしてしまった。

仲良し。

……自分でその言葉を思うのは難しかった。

確かに私は総真くんと仲良しでいたい、って思っている、でも、自分で総真くんと仲良し! って思っていても、総真くんもそう思ってくれているとは限らない。

だから、傍目に見てそう見えているとしたら、すごく嬉しい。

……それもまた、私の勝手な思い込みであることはぬぐえないけど……。

「……本当のことが書けないのは、碓氷くんが「すき」って言ったことを、羽咲ちゃんの口から言ってしまっていいのかな? って思ってるからかな?」

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