俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「……っ?」
な、那也お姉ちゃん、また的中させてきた……エスパーなの? 超能力者なの? 那也お姉ちゃん。
否定する意味もなかったし、隠したい気持ちでもなかったから、素直に肯いた。
「その……総真くんから、私に対して思ってる気持ちは、私がほしいと思ってるものだと思う、でも今は言えない、って言われてて……」
気づけば、誰にも話していなかったことを口にしていた。
「ふうん? 由羽くんから聞いてた碓氷くんの評判だと、恋愛感情自体をわかってない人だと思ってたけど違うんだね?」
那也お姉ちゃんがお兄ちゃんに視線を向けると、お兄ちゃんも肯いた。
「いや、俺もまだその段階だと思ってた」
……確かに、私が告白したときの返事を思えば……。
「けど、なんだ? その七面倒くさい返事は。あいつ、俺らに隠しごとでもあんのか?」
――隠しごと?
お兄ちゃんのなんとなく言ったようなその一言が、脳裏に刺さった。
総真くんが教えてくれないの……何か隠したいことがあるから? もしかして……許嫁がいるとか⁉