俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

……理性をなくす? それって……

がばっと頭を抱える。

「俺は犯罪者だった……!」

「なんでそうなる」

理性どころか記憶まで飛んでるよ僕……!

「って、犯罪って想さんと美結さんの専門分野だろ」

「想と美結は刑事裁判より民事裁判だよ」

「そっか。……で? 羽咲ちゃんと何かあったわけだな?」

その通りですが………

「………言いたくない」

僕はまた机に突っ伏した。

「まあ、言いたくないんなら無理にとは言わないけど。……由羽に訊いとこ」

僕に背中を向けた玲から、不吉な言葉が聞こえて来た……けど、僕にどう止める道理があると言うんだ……。

と言うか僕も由羽に訊きたいよ。由羽なら知っていそう――

そうだ。由羽に訊いてみよう! 今はスマホが充電切れでどうしようもないから、帰って即由羽に訊こう! 

うーに直接訊くのはハードルが高すぎる僕にも、一条の光が差した気分だった。

どうか、由羽が本当のことを知っていますように……!

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