俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
由羽が、逃げ出そうとしたうーの後ろ襟首を掴んで捕まえた。
「だ、そう、おに……っ」
「誰が鬼だコラ。お前、今ここで本当のこと総真に言わなきゃ、手遅れになるぞ」
「………っ」
⁉ ほ、本当のことを言わないと手遅れになる……⁉
やっぱり俺、何かやらかして――⁉
「ごめん! うー!」
その場で土下座した。うーはびくっと両肩を震わせた。
「な、なんで総真くんが謝るの……? あ、あのときの言葉、うそだったの……?」
……あのとき?
「あの、うー……本当に申し訳ないんだけど、俺、うーを怒らせる何をしたんでしょうか……」
情けないのも通り越す勢いだけど、もうこうなったら直接訊くしかない。
腹をくくった。
「ち、違うよ⁉ 私怒ってないし、総真くんに何かされたわけじゃ――」
「何かされた、じゃなくて言われたんだよな」
「言われた?」
「お兄ちゃん!」
この騒動の原因らしきことを由羽が言うと、うーは由羽に怒鳴った。
俺は一体……?