俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

僕がどれだけうーが大事か、うーがいないとダメなのか、よく思い知った。
 
僕が手を差し出すのは、きっと生涯でうーただ一人だ。

カッコつけた告白をしても、うーを失うかもしれない未来は怖い。

けれどそれ以上に、うーがほかの誰かと添い遂げるような未来は嫌だ。

だから、うー。どうか、僕の手を取って。

握り返してくれとは言わない。

僕が差し出した手に、その愛らしい手を重ねてくれるだけでいい。

僕は一度、うーの手を解放した。

そして、今度は右手だけを手のひらを上に差し伸ばす。

「うー、返事をもらってもいい?」

うーは唇を噛んで、今にも泣きだしそうな顔をしている。

「……私が、総真くんを大好き過ぎるって、知ってる?」

「知ってる」

「鬱陶しくない?」

「嬉しいよ」

うーが僕を好きでいてくれたことは、ただただ幸せなことだ。

うーが、僕の右手に、自分の左手を重ねてきた。

それだけじゃなくて、右手も添えて、きゅっと握るようにしてきた。

「私も、総真くんが大好きです。私を、総真くんの彼女にしてください」

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