俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「自ら殴られに行かなくていいよ⁉ 水都ちゃんのお母さんが殴ったら私やお兄ちゃんレベルじゃない重体だよ⁉」

……うーの心配はわからなくもない。

琴さんが元ヤンってのは仲間内では有名で。

と言うか、幼馴染であり犬猿の仲の晃さんが、琴さんに何かとそれをネタにつっかかっているから、自然と知れてしまった。

「じゃあ今日は晃さんと咲雪さんには話せたらって思う。仕事で遅いとかだったら日を改めるけど……」

「今日はもう少しで帰ってくると思う。……でも」

「でも?」

僕が改めてうーの隣に座り直すと、うーはうつむいて言った。

「は、恥ずかしい……」

「可愛いな」

素直な感想を口にすると、うーがひうっと喉を鳴らして化け物でも見るような目で僕見て来た。

……ちょっと傷つく。

「総真くん……大丈夫?」

何かを心配されてしまった。

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