俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「うん。じゃあお願いしようかな。羽咲もいい?」

「うんっ」

うーも笑顔で肯いた。

咲雪さんは由羽に視線を向ける。

「由羽はなゆを迎えに行ってくれる?」

「わかった」

「晃くんは碓氷くんに連絡してみて。美結ちゃんと現場違うだろうから」

「ああ」

――咲雪さんの指示でどんどん動き出して、司家はあっという間に宴になってしまった。

司家の行動力がすごい。

想と美結には連絡がついたんだけど仕事ですぐには来られないとのことで、想たちを待つ前に宴が始まった。

ここで重要なことがひとつ。

司家、及び雪村家では、酒の類は一切出ない。

ゆるされるのは調味料の料理酒までだ。

その理由はなんとなく知っている程度だけど、僕もそうなって仕方ないと思う。

「なんか納得いってなさそうな顔だな?」

僕に話しかけてきたのは景だった。

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