俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「うーん、納得、かなあ……」
納得いっていない顔、かあ……。
ちょっと違う気がする……。
「兄さんたちがすぐに認めたのが解せないとか?」
「いや、それはありがたいと思ってる。んだけど……」
「やっぱ何かあんのか」
景が、ほら話せ、と言わんばかりに見て来る。
まあ、この話はもしかしたら、由羽より景の方がわかるかもしれない。
「咲雪さんがさ、晃さんが言ったうーがしそうなことを、晃さんがしそうだから、とか、よくわかんない文脈のこと言ってて……」
首を傾げる僕を見て、景は五秒ほど黙った。
それから、「ああ……」と大きく肯いた。
景の方は納得できたようだ。
「羽咲が兄さんに似てるっていうのは知ってる?」
「聞いたことある。でもうーは咲雪さん似だろ?」
面差しがそっくりだ。なゆもだけど。
「羽咲が姉さんにそっくりなのは見た目だけ。中身はまるっきり兄さん似って意味」
中身? 性格とか? ……そんなに似てるようには思わなかったけど……。
「……性格、そんなに一緒なのか?」
僕の尽きない疑問に、景は「んー」と中空を見つめた。