俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
僕から見たうーと晃さんは、うーが元気はつらつ天真爛漫なら、晃さんは至ってクールで冷静沈着。
学生時代は今よりダウナーさが目立っていたとか。
……並べてみても、あまり似てないよな?
景はぽつと話し出した。
「……性格って言うより、気質かな。考え方の根本が似てるって言うか、発想が似てる。だから、羽咲がやりそうなことは、おおもとを正せば兄さんがやりそうなことってこと。ちなみに何をやりそうって姉さん言ってたんだ?」
「………」
言えるか。振られて死を選ぶとか。
それが晃さんからうーへの遺伝だとしたら、弟である景もその気質があるかもしれないってことじゃないか! なゆと付き合っててよかった! ありがとうなゆ!
「え、と……それは……」
ここでひゅーと口笛でも吹いて誤魔化したい。
しかしそんな時代錯誤なネタで誤魔化せることが現代にあるだろうか。ないよね。冷汗が出るのがわかった。
景は軽くため息をつく。
「この展開ならどーせ、羽咲がお前に振られてたらどうなってたか、とかか?」
「!!!!!!!」
思いっきり図星をつかれて、びくっと大きく肩が揺れてしまった。