俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「なに? 美結はいいの?」
「寝かせてきた。悪かったな、美結浮かれすぎて泣いてばかりで」
「……あれ浮かれてたの?」
僕がうーに何かしでかして謝っている勢いだったよ。
「まあ……。そういえば、羽咲がいたの思い出してここにいられなくなるのは治ったのか?」
「うっ……」
こ、このクソ親父は黒歴史を……!
「どうだっていいだろ」
「どうでもよくはないな。……でも、おめでとう総真。それから、ありがとう」
ありがとう? って、何が? 勉強机の僕は、ドア近くに突っ立たままの想を見上げる。
「なんで想に感謝されるんだよ」
「美結、本当は娘もほしかったんだ。自分が仲のいい兄と妹の兄妹だから、余計憧れが強かったみたいで。でも、俺がそれは絶対にダメだって止めたから」
「………」
僕が生まれたときの話か。
「だから、羽咲が生まれた時の喜びようはすごくてな。晃が引くほど喜んでた」
「目に浮かぶわ」
美結のうー大好きは、ただ親友の娘だから、だけじゃなかったってことか。