俺のこと好きでしょ？－六花の恋－【完】

「羽咲が総真のこと大好きだって知った時は、狂喜乱舞だったな。だから、羽咲が娘になる未来をくれたお前に、ありがとって言ったんだよ。それから――」

「それって、うーがいればよかたってこと？」

「うん？」

「もしうーが俺以外の奴好きになったりしてたら――」

あれ。僕は何を言っているんだろう。

頭の中が混乱していて、まとめるために言葉を切った。想が微笑を浮かべる。

「おめでとう、は、お前が大好きな子と両想いになれたからだぞ？」

「………」

「想いあってても叶わない恋は無数とある。だから、お前が羽咲と恋人になれたのは運命とか必然とかじゃない。必ずそうなっていた、なんてことはない。お前と羽咲が頑張ったからだ。好きでいることをやめなかったからだ」

「………」

「俺は誤解からだけど、美結を好きでいることをやめていた時期があるからな。……お前と羽咲も、距離が近すぎるせいですれ違うんじゃないかって心配だった。だから、大事に大事にしろよ？」