俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「なんだよ、大声出して」

「ありがとう!」

「……は?」

「唯浜がいなかったら、総真くんに告白してなかった。すれ違いにすれ違いを重ねてた。だから、ありがとう!」

私の全力のお礼に、唯浜は呆気にとられたようにぽかんとしたあと、くはっと笑いだした。

「な、なんで笑うのっ」

「いや、なんつーか、俺本気で総真さんのこと好きになろうかな」

「の――――っ! やめて―――っ!」

「はいはい。やめておいてやるよ」

なんか完全に、唯浜の方が優勢だよね?

「じゃ、俺部活行くわ」

「あ、うん。引き留めちゃってごめん」

「いーよ。俺も言いたいこと言えたし。あとこれは念のため言って置くけど」

「なに?」

「総真さんが俺の憧れであることは変わんないから。なんだったら俺の中での天秤は、司より総真さんに傾いてる」

「やっぱ私の敵じゃん!」

「そういうことだな~」

< 314 / 369 >

この作品をシェア

pagetop