俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
side総真
「あ、ごめん総真くん、水都ちゃんからだ」
うーと付き合いはじめてからも、休日の家庭教師は続けていた。
司家は僕に対する警戒心がゼロなのか、今日はふつーにうー以外、外出中。
その途中で、うーのスマホが鳴った。
メッセージではなく着信だ。
僕が軽く肯くとうーが電話に出て、そしてすぐに顔色を変えた。
「水都ちゃん⁉ どうしたの⁉」
電話の向こうの水都はただ嗚咽を繰り返していて、やっと聞き取れたのは、「今、羽咲ちゃんの家の近く」だけだった。
僕とうーはすぐに階段を駆け下りて、玄関から飛び出した。
「! 水都ちゃん!」
そしてすぐに、うーの家に向かって歩を進めて来る水都を見つけた。
「うさちゃん……っ」
顔面涙まみれの水都は僕らが駆け寄ると、膝から崩れてしまった。
僕が支える格好で、うーの部屋に連れて行ってなんとか落ち着かせた。
そして出て来たその涙の理由が……
「「玲(玲くん)に彼女がいた⁉」」