俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
……玲が手を繋いでいたというその相手が玲の幼馴染とか――いないわ。玲の幼馴染は僕らだけだった。
玲のイトコとか――十六になって手を繋いで歩くイトコは怪し過ぎるわ。イトコは結婚出来るし。
………駄目だ。玲の彼女説を否定する要素が僕には見当たらない……!
うーはうーで必死に言葉を探しているけどなんと言ったらいいのかわからないようで、ただ両手をうようよさせている。
……こうなれば腹をくくるのは、僕だ。
「み――」
「わか、ってたのに……玲くんには、告白する前からふられてるって……なのに、わたし、いつまでもすきなのやめられなくて……っ、勝手に、傷ついて……っ、なんでわたし、こんなにいやな奴なんだろう……」
「――水都ちゃんに悪いとこなんかない!」
うーが、がしっと水都の両肩を掴んだ。
「だから自分責めるな!」
うーが真っすぐの視線で言うと、水都はびっくりしたのか涙が止まっていた。
ただ、うーを見返している。
「――水都」
僕が鋭く呼ぶと、水都はびくっとしたあと僕を見て来た。
「な、なに……?」
「……俺が玲に確かめてくる」