俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
ちゃんと、玲が好きになった人ならいい。
「悪かったな。いきなり」
「いや、俺こそ。でもなんで急に?」
そりゃあそうなるよな。視線が泳ぐ。
「……たまたま、見かけて」
……水都が、だけど……。
「え、はず」
「あー、うん、とにかく、ちゃんと好きな人ならいいよ」
「うん、大好きだけど?」
……素直だな。
「俺、今日は用事あるから放課後残れないんだ。仕事増えたらごめん」
「それは別にいーよ」
そこで会話は終わらせた。
これ以上は僕の心臓が耐えられない。心臓がキリキリしている。
うーに、ことの次第がわかったら連絡する、とは言ってあるけど……水都の傍で、うーは一日隠せないだろうし、朝からこの事実を水都に突きつけるのも……とりあえず、放課後うーに逢う算段取り付けて、水都にも知らせるか……。
水都が玲に告白して知るのがいいのか、僕を介した人づてに聞くのがいいのか、正直わからない……。