俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

『水都が玲を好きなのを、か?』

「うん」

『知ってはいた。でも、玲の事情と水都の事情は複雑だから、触れないようにしてたってのが正直なところ』

……知っていたんだ。

『そういうわけで、水都が告白しない理由も割と重めだから、総真が水都に告白促したくないって思ってるなら、俺はそれに同意する』

「うん、わかった。ありがとう」

景に諭されて、水都には玲に彼女がいるという事実だけ伝えることを決めた。

うーがどう出るかはわからないけど……親友であるうーの言葉や態度まで、僕が止めていいものではない気がする。

……水都が傷つかない道を選ぶだけは、出来ない。

そもそも水都は、なんで玲に告白しなかったんだろう。

フラれるってわかってたから? 今の幼馴染って関係が壊れるのが怖かったから? 

それにしてはおかしいことがあるんだよな。

僕と――たぶんうーも、水都が玲を好きだと気付かなかった理由。

水都はよく、「家の決めた人と結婚するんだ」と、言っていたから。

いよいよと腹をくくった放課後、水都が襲来した。

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