俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「なっ、どっ、えっ⁉」
混乱する僕の隣では玲が「あ、羽咲ちゃん水都ちゃん久しぶりー」とのんびりしている。
今日は玲も途中で「俺も用事あるから生徒会休むー」と一緒に帰ることになってしまった。
放課後うーに話そうと思っていた僕が、いつうーに連絡しようかと図っていたら、校門前に厳しい顔をした水都と、きょろきょろ落ち着きのないうーがいた。
なん、で……⁉
うーも水都も人目をひく容姿なのも相まって、ヘンな注目を浴びている気がする。
「玲くん、折り入ってお話があります。少しお時間いいですか?」
「? うん」
肯く玲。
え……水都、まさか……?
水都から出る殺気とも取れる迫力に、僕はどう言葉をかけていいのかわからなかった……。
それはうーも同じなようで……。
あわあわする僕とうー、人も射殺せるような眼差しの水都、一人事態をわかっていない玲。……修羅場でしょうか……。修羅場ですね……。
校門前という、帰宅部や部活が休み連中がいる中、水都は言い放った。
「私、玲くんが好きです。それだけです」
「え……あ、うん……?」
水都の、告白……? に、玲は戸惑ったように首を傾げている。
それだけってどういう意味だ?
僕もうーと顔を見合わせる。
「あの、それだけって、俺はなんて返せばいいのかな……?」