俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「熱くない?」
「大丈夫~」
水都ちゃんの声はほのぼのしていて、うちに連れ込んでよかったと思った。
それにしても、ツヤツヤさらさらな水都のちゃんの髪……。
「水都ちゃんってほんとキレイな黒髪だよね。漆黒というか。めちゃくちゃあふれ出る大和撫子感」
最後の感想に、水都ちゃんは「なにそれ」と笑った。
「わたしは反対に少し茶色っぽい人とか憧れるなあ。真っ黒髪だと、適度に梳いてないと重く見えちゃうから。羽咲ちゃんは陽が当たると茶色っぽく見えるよね」
その通り、黒髪ではあるけど少しだけ色素が薄いのかもしれない。
「髪色だけはお父さんなんだよね。お兄ちゃんもだけど」
「だけじゃないよ。中身も割と晃さん」
「私お父さんほど重症じゃないよ」
「……由羽くんにストーカーって言われてたの、どこの誰だっけ?」
「……私でございます」
「ふふ」
「そのネタ、きっと一生引っ張られるんだろうね……」