俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「はーい。ふふー、羽咲ちゃんと一緒、久しぶりだねえ」
言いながら、水都ちゃんが布団にもぐってきた。
「だねえ」
応じた私の軽さに反して、続いた水都ちゃんの声は低かった。
「……明日の今頃、わたしはきっと総真くんに標的にされているんだろうなあ」
「なんで⁉」
標的⁉ だって、と水都ちゃんが私を見て来る。
「大好きな羽咲ちゃんと一緒のお布団で寝たなんて知ったら、総真くん嫉妬に狂うでしょ」
し、嫉妬に狂う……? そんなやばい人みたいな……。
「そこまでではないと思うけど……あ、総真くんにビデオ通話しよっか」
「羽咲ちゃん、自ら地雷を踏みに行かなくても……」
「総真くんが、何かあったら夜中でも連絡していいって」
「溺甘だねえ。でも今はやめて」
「あ、ごめ……」
しまった。今の、水都ちゃんの地雷だったか――
「そういう意味じゃなくて、本気でこの状況知られたらわたしがヤバいからだからね?」