俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「? わかった。じゃあ、はい」
と、右手を差し出した。手のひらを上に向けて。
「え、なにその手は……」
「握ってる」
端的な答えに、水都ちゃんは三秒ほど黙ったあと噴き出した。
「………ぷっ、ふふふっ」
「あーっ、なんで笑うのっ」
「いや、ごめん……羽咲ちゃんが可愛くて……ふふふっ」
「あっ、別にヨコシマな感じで言ってるんじゃないからねっ⁉」
私が総真くん一筋なのはいつでも変わんないから!
「わかってる、わかってるよ。羽咲ちゃん、優しいから」
水都ちゃんはどこがおかしいのか、肩を震わせながら笑っている。
「私別に優しくないよ」
「じゃあ、好きな人には優しい」
「………」
「羽咲ちゃん、誰でもいいわけじゃないんだよね。一度懐に入れた人のことは大好きになって、とことん優しいの。でも、その人数はすっごく少ない」