俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「この子が坂野千波ちゃん。俺の大事な彼女。プロポーズ済」

「「「……は?」」」

僕と由羽と遠江さんの声が重なった。

坂野千波さんは真っ赤な顔で玲を振り仰ぐ。

「玲哉くん! それは違うでしょ!」

「千波ちゃん「はい」って言ってくれたよ?」

「ハテナマーク! ハテナマークがついた「はい」だから! 訊き返した「はい」だから!」

「どっちにしても受けてくれたよね?」

「知りあって三週間の高校生でのプロポーズなんてあるわけないでしょ!」

「俺はあるなぁ」

「わたしはない!」

ぎゃいぎゃい騒ぐ玲と坂野さんに、遠江さんが「あのー……」と声を挟んだ。

「千波、結婚するの……?」

その質問に坂野さんは、ぶんぶん顔と手を横に振った。

「那也違うから! 玲哉くんいつもからかってくるだけだから!」

「からかってないよ。全部本気」

「だからすぐ堕天しないで!」

……なんか、見たことない玲だった。でもどっかで見たことがある感じだった……。

「おい総真。これどうなってんだ?」

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