俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「……寝る前、羽咲の部屋からでかい笑い声と泣く声が聞こえてきて、水都がいる理由も知らなったし、何かあったのかって母さんに聞きに行ったら、もう帰ってた父さんといちゃつきだしてたから昨日は俺が割と孤独に過ごしていた……」

「………」

「………」

……由羽一人が可哀想な目にあっていた……。

「由羽くん」

つと、遠江さんが由羽を見上げた。

「そういうときは電話とかしてもらっても大丈夫だよ?」

「……うん。次からめっちゃする」

ありがと、と、遠江さんの頭を撫でる由羽。ここは安泰だな。

「そうだ由羽、ちょっと聞きたいことあるから今度時間いい?」

「今日でもいいぞ。那也送ったあとでよければ」

「俺はいいけど……遠江さん、俺も一緒に帰ることになるけど、いい?」

「大丈夫だよ。……千波は置いて行っていいのかな」

「うん、置いていこう。玲―、じゃーなー」

由羽の家と玲の家とは方向が違う。

僕が声をかけると、

「おう、じゃな」

にこにこの玲から返事があった。隣の坂野さんは疲れていた。

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