俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
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side羽咲
「――――――――新入生代表、司羽咲」
ぺこりと頭を下げて、壇上から降りる。
今日は高校の入学式だ。
念願かなって、総真くんと同じ高校の。
ちらっと視線をやると、生徒会長として列席している総真くんと目があった。
隣には副会長の玲くん。
あ、あう……やっぱりカッコいい。
あと今、ちょっと笑ってくれたかもしれない……いや、私の代表挨拶がおかしかったのかもしれない。笑えるところあったのかもしれない。そうだ、そういうことにしておこう。
自分の席に戻って、深く息を吐いた。
……今、隣に水都ちゃんはいない。
水都ちゃんは、別の公立の高校へ進学して、私は一人ここへ入学した。
『続きまして、生徒会長、挨拶―――』
そう進行に呼ばれて、総真くんが登壇した。
ざわっと色めく新入生の空気。
うわあ……初っ端から大人気の予感……。
元々、中学の頃から模試で一位独占とか伝説持っている上に、クールさが勝つ見た目だし。
中身はぽやぽやしてるってお兄ちゃんは言うけど。
私は総真くんの挨拶を一言一句聞き逃すまいと耳を大きくしていた。
そして結びになった。
にっこり笑う総真くんを見て、ああ、今日この場にいられるだけで私は幸せ者です……とか思っていたら。
「最後に一つだけ。私的なことで恐縮ではありますが、先ほど新入生代表挨拶をした司羽咲さんは僕の可愛い恋人なので、どなたも手出し無用で願います」
え。