俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「何年あいつらと友達やってると思ってる。総真が生まれる前からだぞ? 俺も息子と娘いるからわかる話だけど、たとえ差し出すものがあったとしても、逢いたかったんだ、総真に。想と塚原は」
「………」
差し出す、もの……。
「総真に逢えただけで、二人には十分すぎることだった。だから想と塚原は、それ以上を望まなかった。望むことをやめたんじゃない。望むことも忘れるくらい幸福だったんだ。総真は想と塚原の宝物なんだよ。……そういうわけだから、勝手にひねくれるのはやめろ」
黙って晃さんにわしゃわしゃされていると、ふと視線を感じた。
見ると、ダイニングテーブルでお仕事中の咲雪さんが「いいなー」って顔をしていた。
ここも仲いいなあ。
「でも……もし、美結が命を落としていたら……」