俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「心配かけたな」

『ううん。わたしの所為だし……何もなかったらよかった』

……何もなくは……ないんだけどな。

けれど、ほっとした様子の水都に言い返すのも難だろう。

「じゃあな」

『うん、おやすみなさい』

電話を切って、少し中空を見つめた。

藤沢の家の中で、水都の立場は複雑だ。

そのせいか水都は、巽さんや琴さんに似ていると言われると喜ぶ。

水都は両親が大好きだから。

ベッドに身を投げ出す。

最終的には父さんが引き受けてくれたけど……明日の朝まで、羽咲が犯罪をしませんよーに………。

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