俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「う……」

「ど?」

「……なんで水都ちゃん、そんなに告白勧めてくるの?」

私の逃げの言葉を聞いて、水都ちゃんはそっと目を細めて優しく微笑んだ。

「せめて羽咲ちゃんには、好きな人と一緒にいてほしいから」

「………――――」

あ―――……。

……そうだ、水都ちゃんは……。

哀しげに見える微笑を瞬きひとつで隠した水都ちゃん。

……うん、好きな人に好きと伝えられる私は、この上なく贅沢者だ。

――そう覚悟して、水都ちゃんに宣言する。

「伝える。総真くんに告白する」

< 80 / 369 >

この作品をシェア

pagetop