俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「ん?」
「え?」
急にかけられた声に振り返ると、しかめ面をした唯浜がいた。
「ユイ」
水都ちゃんが唯浜の方を向く。
唯浜は眉間にしわを寄せている。
「司、藤沢、中二んなったら公共のマナーくらい覚えろ」
あ、その意味での怖い顔ですか。
「ごめん唯浜。そんな大声だった?」
私が訊くと、唯浜は軽く息をついた。
「大声なのもあるけど、二人は目立つんだよ」
う……大声でもあったのか。水都ちゃんはパッと見でも目を引くからなあ。
「悪目立ちしていても水都ちゃんとは離れたくないよ」
水都ちゃんとは一緒にいたいよ。
「……その意味の目立つじゃないんだけど……」
今度は、はー……と長くため息をついた唯浜だった。
「唯浜もどっか行くとこ?」