俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「ん?」

「え?」

急にかけられた声に振り返ると、しかめ面をした唯浜がいた。

「ユイ」

水都ちゃんが唯浜の方を向く。

唯浜は眉間にしわを寄せている。

「司、藤沢、中二んなったら公共のマナーくらい覚えろ」

あ、その意味での怖い顔ですか。

「ごめん唯浜。そんな大声だった?」

私が訊くと、唯浜は軽く息をついた。

「大声なのもあるけど、二人は目立つんだよ」

う……大声でもあったのか。水都ちゃんはパッと見でも目を引くからなあ。

「悪目立ちしていても水都ちゃんとは離れたくないよ」

水都ちゃんとは一緒にいたいよ。

「……その意味の目立つじゃないんだけど……」

今度は、はー……と長くため息をついた唯浜だった。

「唯浜もどっか行くとこ?」

< 82 / 369 >

この作品をシェア

pagetop