俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
席に着いた私たちに、総真くんがメニューを渡してくれた。
「今日は俺の奢りだから、好きなの注文してね。唯浜くんも遠慮しないでね」
「い、いえ、そんなわけには……」
「総真くん、いいの? 今日って羽咲ちゃんのための日なんじゃ……」
「うーも水都も頑張ってるから、たまには年上らしくご褒美をね。唯浜くんも気にしないで。唯浜くんは紅茶とコーヒー、どっちが好きとかある?」
「……お恥ずかしいんですが、甘くないと飲めなくて……」
「じゃあミルクティーがおすすめかな。水都はブラックコーヒーでいい?」
「うん」
「え、藤沢、ブラック派なの……? 全然イメージない」
「家で、父様(とうさま)も母様(かあさま)もそうだったから。甘いのが飲めないわけじゃないけど、ブラックとか無糖が好き」
「砂糖は三つ、とかいうタイプかと思ってた……」
「それはむしろ飲めないくらい甘い」