雨の日はそばにいて抱きしめて
乱される
・・・・・・
・・・
・
宙が帰った後の部屋で
着替えもせずに
ただソファに座っていた
別れたはずの宙
そして・・・
麻人のことも
一気に押し寄せてきたことで
頭の中は酷く混乱していた
確かに宙は“別れる”とは言わなかった
“何か言いたいことがあるんじゃねぇか”
あれは別れの言葉を私から聞く為だと思っていた
だから・・・何も言わない私に痺れを切らして
態と見せつけるように
パンダと背を向けたり
クリスマスツリーの下でキスした・・・
いや・・・
“フリ”をした?
「いやいやいやいや・・・」
頭を左右に振って
混乱を弾き飛ばそうとするのに
“何年離れるか分からない間
ずっと俺に囚われていて欲しかった”
幼い勝手な言い分を
8年も経ったはずなのに
それを聞いて宙を受け入れようとしている自分が
一番馬鹿なんだと思う
。
酷く混乱したまま
シャワーを浴びてそのままベッドに潜り込んだ私は
翌朝
ピンポーン、ピンピンピンピン・・・
立て続けに鳴らされるチャイムの音で目覚めた
「おはよ」
煩いチャイムの所為かインターホンを確認しないまま開けた玄関ドアの向こう側で
ラフな格好をした宙が微笑んだ
「・・・・・・・・・は?」