運命の人
２０〇〇年２月１０日
昼



「さーわーこー先輩！！
お昼食べに行きませんか？！」


爽子、と呼ばれる女の部下らしい人懐っこそうな男が財布を持って話しかける。


「ごめんなさいね、今日はお弁当なの。
また今度誘ってくれるかしら」


爽子は鞄の中からお弁当が入っているであろう袋を取り出して申し訳なさそうに言う。


「えー！！爽子先輩の手作りお弁当ですか？！
料理までできるんですね！」

「まーた爽子さん口説いてる。
爽子さんには同居してる彼氏さんがいるんだからね！！」


部下の男の後ろからひょこっと顔を出した女はそう言って男の耳を引っ張る。


「イテテテ、そうなんですか？」

「ええ、そうなの。
お弁当も彼の残りを詰めているのよ」


爽子は恥ずかしそうに目を逸らしながらそう言った。


「なんだあ、本当にラブラブなんですね！」

「うふふ、そうね」


爽子は幸せそうな顔で肯定した。



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