みだらなキミと、密室で。
依茉ちゃんは、少し切なそうに笑ったあとに、『でも、海風とバイトするの夢だな〜』なんてまた可愛いこと言ってくれるもんだから、鼻血案件すぎる。
私は依茉ちゃんのその気持ちがすっごく嬉しいんだもん。
「あ。そろそろ、海風バイトの時間じゃない?」
依茉ちゃんがスマホの画面を見てそう言うので、私も教室の時計に目を向ける。
時計の針は『4時30分』を指していた。
「本当だ。依茉ちゃんといると苦手な勉強時間もあっという間だよ〜」
「また調子いいこと言っちゃって〜ほら、早く片付けないと遅れるぞ」
今日は授業が5時間目までだったので、1時間ほど依茉ちゃんに勉強を教えてもらうことができたけど、
1週間のほとんどが6時間目までなので、その時はすぐにバイト先へと向かう。
バイトの時間まで残り30分。
すぐに筆記用具をカバンの中に片付けて帰り支度を始める。