みだらなキミと、密室で。
いつもより少し強い力でエレベーターのボタンを押して、すぐに開いたそこへと入る。
なんで遥琉、私に付き合えなんて。
こんな可愛くない態度ばかりしてるんだから、そろそろ嫌いになって関わらなければいいのに。
そんなこと思いながらも、あの頃の遥琉の気持ちを聞き出したい自分もどこかにいて。
ほんと依茉ちゃんのいう通りだな。
私より私のこと知ってるなぁ。
『ドアが閉まります』
「……髪、いいじゃん」
「へっ、」
乗り込んだエレベーターのドアが閉まる寸前で、私の斜め後ろに立つ遥琉が何か言った。
……髪のこと言った?
いや、まさかね。
「だんご、可愛い」
っ?!
「……っ、いや、その、今日風強いみたいだから」
遥琉の視線が私のほうにジッと向けられてると思うと、途端に身体が熱くなって。
意外なセリフに驚いて、目をそらしながら、いつもは隠されてるうなじあたりに手を置いて熱を冷まそうとする。
けど、全然おさまってくれない。