みだらなキミと、密室で。
「ふたりとも、手洗ってらっしゃい!海風ちゃん、お腹は減ってる?」
「え、あ、はは、ちょっと……」
「うわ、もう何も食えないって言ってたのどこのどいつ〜」
「う、うるさいな……」
横からいちいち口を挟んでくる遥琉の足を軽く踏んづける。
「遥琉、久しぶりに海風ちゃんとお出かけできて嬉しいからすぐイジるんだよな〜」
「あっ、詩音さん!」
「いらっしゃい、海風ちゃん。少し見ない間にずいぶん大人っぽくなっちゃって〜」
そう言ってリビングのソファから顔をひょこっと出してきたのは、遥琉の5つ上のお兄さん。
大学生で今は家を出て一人暮らしをしてるってずっと前にママから聞いた気がするけど。
今日は実家にいる日なのかな。