みだらなキミと、密室で。

遥琉は「一応、本棚の下」なんて興味なさそうに答えてから再びケーキを口にした。

「いいよ、見るよ。どーせ遥琉、私が何組だったのかも知らないんでしょ。今教えてやるから覚えておけ」

「6年2組、3年5組」

「へっ……」

どうせ「興味ねーよ」なんて軽くあしらわれるんだろうと思っていたので、一瞬反応に困ってしまう。

「必要ねーよ。覚えてるから」

「……あっ、そう」

まさか、当てられるなんて。

「てかそういう海風こそ覚えてねーだろ」

「ハハッ」とかすれたような声で笑った遥琉が、ゴクンと紅茶を一口飲む。

舐めないでよ。

覚えてる。

自分のクラスよりも。

しょっちゅう気にしてたんだから。

「……6年3組、3年3組」

「……うける、すげぇ覚えてんじゃん」

そうやってごまかすように笑う遥琉に「どっちが」と突っ込む。

何よこれ。

まったくもって予想外。

こんな展開、考えてない。
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