みだらなキミと、密室で。
「そうそう。結構有名みたいなんだよ。認めたくないけど顔が良いのは確かだからね……」
そう言いながらスボンのポケットからスマホを取り出して何やら操作している伊月さんが、こちらにスマホ画面を見せてきた。
「こいつ知ってる?」
っ!?
見せられた画面に表示された名前に、不覚にもドキンッと心臓が大きく打った。
夜の海が月明かりに照らされた写真がアイコンになっていて、アカウント名は本名のフルネーム。
「有馬 遥琉。高2だって。海風ちゃん同じ学年じゃん。同じクラスってことない?やっぱり人気なの?こいつ。ってかサクラちゃん彼氏いないって言ってたし絶対この男に横取りされたって〜年下のくせに生意気すぎだし今度顔見たらぜってぇ許さ……」
「全然、知らないですっ」
伊月さんの声を遮るかのように、力んだ声ではっきりとそういう。