みだらなキミと、密室で。

聞いてもいいの……。

今、ここで。

どうして遥琉があの時、約束を破って公園に来なかったのか。

どうしてその日から、私と関わらなくなってしまったのか。

どうして変わってしまったのか。

「……遥琉、あの、」

「今日の分の食事代と交通費、今、払ってよ」

「えっ……」

さっきまでの、雰囲気はなんだったのか。

遥琉の一言で一瞬にして掻き消えてしまった。

まじでなんなんだこいつ!!

結局こういうやつなのか。

なんだかすっごい疲れた。

頭の中であれこれ考えて気にしてるのはいつだって私だけで、遥琉はなんとも思っていない。

私のクラスを当てたことだって、たまたまかもしれないし。

遥琉の言動ひとつひとつにいちいち心がかき乱されて。

何だかんだ、遊ばれてるだけなんだ。

ただの暇つぶし。

もう帰ろう。

こんなところにいても無駄だ。

陽子さんや詩音さんと話せたことだけがせめてもの救い。

何かを一瞬でも期待してしまった自分を呪いたい。

何を期待していたのか、考えたくもない。

バカバカしい、恥ずかしい。惨め。

「はいはい、わかりました。払えばいいんでしょ、払えば」

あからさまにイラついた態度で遥琉の方へ近づいて。

部屋に入る時に一緒に持ってきた鞄から、おもむろに財布を取り出す。
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