みだらなキミと、密室で。

「もうこの際、今日告白しちゃえば?」

「え?!ちょ、何言ってんの依茉ちゃん!」

「善は急げっていうでしょ!」

「えーそれ使い方あってるの?ていうか、絶対無理だって」


昨日の今日だよ。

無理無理。

絶対引かれちゃうって。

「あんなに悪態ついていたのに今更、実は好きでしたとか、虫が良すぎない?」

「今更ってことないでしょ?海風、ずっと有馬くんのこと気にしてたんじゃない」

「いやそうだけど……でも、」

自分で答えながら恥ずかしくなる。
あんなに嫌いだ嫌いだって騒いでいたくせに。

「恋って理屈じゃないからさーしょうがないよ。ちょっとしたことで不安になるし、嬉しくなるし。人の気持ちなんて明日どうなってるなんてわかんないじゃない。恋っていうのは人をおかしくさせる一種の病気なんだからそれを受け入れなきゃ」

「うぅ、依茉ちゃん恋愛マスターみたい」

「恋愛ものは大好物だからね〜人のことはなんとでも言えるんだ〜」

ニコニコしながらそういうのがちょっと怖いよ、依茉ちゃん。
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