みだらなキミと、密室で。

それでも、今日告白するなんて、考えただけで心臓バクバクしてダメだ。

んー。

「わっ、有馬くんだっ」

「えっ、なんでうちのクラスに有馬くんがくるの?知り合いいたっけ?」

ん??

なにやら突然ざわつき始めた教室。

なんか今、『ありま』って聞こえたけど。

「海風」

聞き覚えのある声に、ドクンと心臓が跳ねて、ゆっくりと顔をあげる。

なんで。

なんで。

私の前に座る依茉ちゃんも大きく目を見開いて口元を手で押さえている。

なんで遥琉がここにいるの。

クラスメイトにチラッと目を向ければ、みんなこっちに注目しているし、

「え、芳川さんと有馬くん?」

なんて不釣り合いだと言わんばかりの声でみんな口々に言う。

ほんっと、この男、どうして目立つ仕方でしかできないんだろうか。

来るなら連絡ぐらいすればいいのに。

何のために連絡先交換したって言うのよ。
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