みだらなキミと、密室で。
「好きなんだ?有馬 遥琉のこと」
「……っいや、その……」
「うわ、図星かよ〜」
伊月さんはため息混じりにそういうと、私の熱くなった耳に触れて「こんなわかりやすい反応したらダメじゃん」なんて言った。
何にも言えない。
「てかなんで知らないって嘘ついたわけ?」
「いや、その、私の気持ち的にも色々ありまして。その時はまだ好きって気持ちよりも遥琉に関わりたくないって気持ちのほうが大きくて……つい、」
「ふーん。なんか良くわかんないけど海風ちゃんも複雑なんだね」
え、もしや、伊月さん、思ってたよりもちゃんとわかってくれる人?
「はい、そうなんです。遥琉も伊月さんの話してた女の子に、ぎゃ、逆ナン?されて遊んだだけみたいで。伊月さんとのこと本当になにも知らなかったらしいですし……」
「もうそれはどうでもいいよ」
「え?」
ロッカーに身体を預けながら腕を組む伊月さんが、ニッと笑った。