みだらなキミと、密室で。
有馬 遥琉のことなんて考えただけ無駄だ。
もう私の人生に関係ない人なんだから。
人間っていうのはある程度成長した段階で、自分の身の丈というものを知る。
私は遥琉や伊月さんみたいな人たちのいる世界に属す人間じゃない。
同じ日に生まれようがマンションが同じだろうが、幼なじみだろうが、関係ないんだ。
早く家に帰ってお風呂に入って、昨日のソラハルをまた見返してゲームでもしよう。
それが今の私にとって最大のエネルギーチャージ。
バイト先から出る前に、ママに『今から帰るね』
とメッセージで伝えてから家に向かう。
ガチャ
バイト先から家まで、歩いて15分。
無事にマンションのエントランスに着いてから、オートロックの操作盤に鍵をさして、
自動ドアが開けば、向かって右側に位置するエレベーターに向かってボタンを押す。