みだらなキミと、密室で。

「だからなんですか……」

「んー、なんだろうねー」

「えー……」

散々喋っておいてなんなんだ、その答え。

正直今は、遥琉と乃々歌ちゃんがどうなっているかの方が気がかりで、乗り物どころじゃない。

どうしよう……遥琉と乃々歌ちゃんがいい雰囲気になってたら。

よくある話だ。

再会した2人がなんだかんだあって一緒になるとか。

『有馬くんのこと狙ってる女の子なんてたくさんいるし、いつ取られちゃうか、』

依茉ちゃんのセリフが脳裏に過ぎる。

あぁ、どうしよう。
本当になっちゃうかも。

私がウジウジタラタラしてたから。

ジェットコースターの順番が回ってきて、伊月さんと一緒に並んで乗り物に座る。

『みなさん、しっかりとシートベルトをお締めくださいませ!』

アナウンスが響いて、近くのアトラクションの絶叫が聞こえて。

この遊園地一番らしいジェットコースターが動き始めようとしてるのに、

私は、心ここにあらずって感じで。
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