みだらなキミと、密室で。
*
「無理……気分悪い……」
ジェットコースターを乗り終える、伊月さんが顔を真っ青にしながらそう言った。
「えーー。乗ろうって散々はしゃいでたの伊月さんじゃないですか。苦手なら最初から……」
「いや高校の修学旅行までは普通に大丈夫だったし」
「歳ですか」
「泣くよ」
伊月さんはそう言いながら近くのベンチに腰掛けた。
「帰ります?」
「バカ言わないで」
「だってそんなんじゃ次とか無理……」
ガシッ
いきなり、伊月さんが私の手首を捕まえた。
うっ、今回はこの手にのらないぞ。
この間もこれであんなことされたし。
私だって学習してるんだから。
「伊月さん、離し……」
「膝枕して」
「はぁい?!」
思ってもなかった言葉が飛んできて、びっくりして大きな声が出てしまう。