みだらなキミと、密室で。
「なんであいつなの」
「えっ……」
ふと視線が絡んで、慌てて晒す。
「幼なじみなんです。生まれた日同じで住んでるマンションも同じで。小4の少しの間まではいつも一緒にいて」
わざわざ伊月さんに話すことでもないと思うけれど、話してる方がまだ気が紛れるきがして。
「……え、小4まで?」
「はい。途中から突然、遥琉が私のこと避けて。なんでか理由わかんなくて。それから7年近く話さなくなって……」
「え〜そんな男のどこがいいんだよ〜」
「そうですよね。だから私ももう遥琉のことは忘れるって好きじゃないってずっと自分に言い聞かせてきてて。でも、つい最近、話す機会ができてそれから徐々に話していくうちに、やっぱり好きだって気持ちが出てきて」
「そう……」
依茉ちゃんも言っていた。恋は理屈じゃないって。
好きなものはやっぱり好きで、なんでとか、どうしてとか、そんな明確なものはわからないうちに惹かれてしまっているもので。
「遥琉が私のことをどう思ってるかは分からないし、本当の気持ちを聞くのが正直怖いです。だけど、今は、この気持ちを無かったことにしたくないって気持ちの方が大きくて。あ、なんかすみません、こんな面白くない話……」