みだらなキミと、密室で。
天邪鬼な本音
遥琉 side
俺はいつだって、間違ってばかりだ──。
普段はなんともないことも、海風が関わると何もかもうまくいかない。
改めて、それが身に染みてわかる。
*
遊園地の観覧車。
今俺の目の前に座っているのは、中学の頃に付き合っていた元カノ。
松本 乃々歌。
俺が初めて、自分の欲望を抑えるために利用した女の子だ。
「久しぶりだね、まさかこうやって会えるなんて」
「あぁ。……あの人とどういう関係なの?」
「あ、早乙女さん?友達の紹介で、最近、知り合ったの」
なんだかぎこちないその話し方に、何か隠しているんだとは思ったけど、
俺にそれを問い詰める権利はない。
俺は、彼女を傷つけた側だから。
「……たまたま、意気投合して、その……だから本当に、びっくり!」
「……」
たまたま、ね。
「やっぱり私、あの時のことずっと後悔しててね。自分から遥琉くんの支えになるって言ったのに、結局逃げて……」
「いや、俺が悪いから。松本は何も悪くないよ。傷つけてごめんね」
嫌な思いをさせて、利用して、ごめん。