みだらなキミと、密室で。

「っていうかびっくりしちゃった。ふたりとも同じ高校に行ったからてっきりもう付き合ってるもんだと思ってたよ。遥琉くん、昔から人気だったけど、最近うちの学校でも名前聞くぐらい有名だから、自然と噂が入ってくるんだけどね。まだ遊んでるんだ」

「……まぁ、その」

「海風のこともう好きじゃないの？」

「女アソビに本格的に目覚めちゃった？」なんてからかうように笑う松本。

「……この間久しぶりに話せて、やっぱり海風だけだって思ったよ」

散々傷つけた子にする話じゃないことは十分わかっている。

けど、俺のこの気持ちを昔から唯一知ってるのは松本で。

『ごめん、やっぱり私、自分のこと好きじゃない人とは無理だ……』

当然の理由で俺を振った松本だけど、彼女は本当に、別れてからも俺のことを言いふらしたりしなかった。

むしろ『いい彼氏だった』なんて俺の評判を上げるようなことばかり話してて。