みだらなキミと、密室で。

「じゃあなんで……?」

「わかんない。本当、海風の前だとなにもかもうまくいかなくて……」

間違えて、拒絶されることが怖くて、守りに入って、また間違えて。

俺は、ポツリポツリと、最近海風と起こったことを松本に話す。

恥を忍んで。

もうどんな暴言を言われても、殴られても、仕方のないことだけど。

時々、松本は呆れた顔を見せて「え〜?」と声を漏らしながらそれでも最後まで聞いてくれて。

「……とまぁ、そんな感じで……」

「そんな感じって、ごめん全然意味わからないんだけど。えっとごめん、昔めっちゃ好きだった人に言うのもあれだけど……遥琉くんって、結構バカなんだね」

「……っ、死にたい」

全てを聞いてくれた松本のセリフに頭を抱えてそう言う。

「はい、もう降りるよ」

気が付けばもう観覧車は下に降りていて、俺は松本に手を引かれてそのままそこを出た。
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