みだらなキミと、密室で。
『芳川って可愛くね?』
『えー芳川って?1組の芳川海風?べつに普通だろ。2組の安西の方が可愛い〜!ていうか芳川は遥琉のものじゃん』
クラスメイトの誰かの口から海風の名前が聞こえた。
『え、芳川と遥琉って付き合ってんの?!』
そいつが俺に駆け寄ってきて。
ほかのやつらの口から海風の名前が出てきたことも、
彼女のことをなにも知らないやつらが好き勝手に海風を評価してることにもムカついた。
『……別に、ただの友達だよ。最近話してないし』
海風の学校生活を守ることも俺の役目だから。
徐々に関係ないようなフリをして。
『なんだ!じゃあ俺こんど話してみよ〜』
胸がまた、チクッと痛くなって。
ギュッとTシャツの胸元を握った。