みだらなキミと、密室で。
*
「えっと……それじゃあ、遥琉は……、」
話をすべて聞き終えた海風は、顔を赤らめながら口を開く。
その表情でさえも、俺をおかしくしそうになって、必死になって平常心を保つ。
「私にその、キ、キ、キスしてその罪悪感から会わなくなったってこと?」
「……すげぇざっくりいうと、そんな感じ」
俺がそういえば、海風はさらにカァッと顔を赤くさせて。
煽ってんのか、と言いたくなるのを堪える。
「嘘でしょ……」
そう言って両手で顔を覆う海風。
いや、そんなにショックかよ。
『最悪』とか『最低』とか言われる準備はもうできている。
「いや、わかってる、本当にごめん、」
何回だって謝るから、だから、これ以上嫌いにならないで。
ここ数日のことも全部。
下手くそでごめん、バカでごめん。
相手が海風になるとそれがすごく難しいんだ。
大切すぎて、うんと優しく持とうとすればするほど、スルリと手から滑り落ちていくみたいな。
「……その、押さえ、られなくて、」
クッソだせえ、クッソはずい。
顔が熱い。
こんなこと、本人目の前に言う日がくるなんて。
でも、事実だから。