みだらなキミと、密室で。
部屋で海風にキスをした日。
俺は海風のことになるといつだって雄なわけで。
それでも、ふと目を瞑った海風の顔をみて、
一切汚れていない彼女を、身勝手な感情で今までたくさん傷つけてしまった俺に、
海風のいろんなもの奪おうとする資格なんてないんじゃないかって、
海風を見て理性を失うことも事実なのに、いざそうなると、裏切ってしまったあの頃の自分がチラついて、手が出せなかった。
許されるわけがないと思った。
いろんな申し訳ない気持ちが入り混じって、しなかった。
できなかったわけじゃない、猛烈にしたかったのを、我慢した。
それなのに、今俺の目の前にいる彼女は、
衝撃的なセリフを俺に吐いた。
『もう一回、してよ、』
「自分がなに言ってんのか、わかっ……」
「十分わかってるよ……普通こんな恥ずかしいこと自分から言うわけないでしょっ。今私は普通じゃないのよ、バカ遥琉っ」
あぁ、俺はまた、海風に嫌な思いをさせてしまった。
でもそんな反省よりも、海風が今、俺を求めているのかもしれないって事実に、
心臓が一瞬止まった。