みだらなキミと、密室で。
「だから、これからはいっぱい甘えさせてもらう」
「えっ、」
顔が近い。
それだけで、鼓動が速くなって。
「……ダメ?」
わざとらしく耳元でささやかれれば、身体がビクッと反応する。
「っ、いやダメじゃないけど、」
「7年分だから海風の身体がもたないかもね」
「なにそれ」
あからさまにニヤニヤしながら嬉しそうに言う遥琉。
そんなだらしない顔、やめてよね。
「オトナの話」
「意味わかんないからっ」
意味深な言い方をする遥琉から目を背ける。
ほんとすぐそういうこと言いうから。
バカ遥琉。
そんな彼に振り回されてる私も私だけど。
「昨日はあんなに、キスして欲しいって可愛くねだっといて?」
「ちょ、調子にのらないでよね!」
さっきまで昔の遥琉に戻ったみたいでちょっと可愛いって思っていたのに。
「安心して。もうとっくに乗ってる」
「ちょ、……っ、」
遥琉は、私の顎に指を添えてから、自分の方へ私の顔を向けて。
一瞬のことで、完全にされるがまま。
遥琉の少し意地悪なキスが降ってきて。
「んっ、ちょ、急にやめてよねっ」
「え。じゃあ言えばいいの?」
「えっ……」
「もっとすごいやつしまーす」
視線を少し落としてそういう遥琉の顔があまりにも色っぽくて。
「……んっ、」
呼吸の仕方を忘れちゃうような、キス。
お昼休み終了を知らせるチャイムの音が、たちの甘い音をかき消した───。